仙台高等裁判所 昭和28年(う)777号 判決
遠藤修司が被疑者として身柄の拘束を受けていた間に同人とその弁護人との面接の回数及び時間が所論のとおりであつたとしても、その不当なる措置に対する救済の途は別に開かれており、また所論のように弁護人との面接を拒否した事実があつたとしても、ただそれ等不当な措置が採られたことから直ちに同人の検察官に対してなした供述まで任意にされたものでない疑があるとは即断し得ないところであつて、すべからく任意性の有無はかかる事実に拘泥することなく、その供述をした当時の情況に照してこれを判断すべきである。そこで右供述調書を仔細に検討するに、その供述内容は極めて自然であつて首肯せしめるものがあり、その間になんら矛盾のないことが認められ、同人の供述が直接その取調べに当つた検察官の不当な影響の下になされたことを疑わしめるに足る形跡は少しも認められないので右調書の証拠能力になんら欠くるところがないから、これを証拠に引用した原判決は洵に相当で採証法則に違背した違法は存しない。